2月5日 ひきこもり対策特別委員会

○委員長(高橋正利) 
 ただいまから、ひきこもり対策特別委員会を開会いたします。
 初めに、各委員及び理事者に申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、発言内容は簡潔明瞭にしていただき、会議時間の短縮に努めていただきますよう、ご協力をお願いいたします。
 それでは、議事に入ります。
 付託事項の調査を行います。
 当委員会の調査事項は、「ひきこもりに関する諸問題について、総合的に調査し対策を検討する。」こととなっております。
 本日は、「ひきこもりなど制度のはざまで孤立した方や家庭を把握するとともに、伴走支援ができる体制の実現に向けて」をテーマとし、令和3年4月1日に施行される改正社会福祉法に新たに規定された「重層的支援体制整備事業」に掲げられている、「断らない相談支援」について、「参加支援」について及び「地域づくり」についての三つの支援体制について、調査・検討いたします。
 初めに、本日の議事進行について申し上げます。
 本日は、三つの支援体制について、支援体制ごとに議事を進めます。
 それぞれの議事の進め方についてでありますが、まず、支援体制について、理事者に対する質疑を行います。質疑終了後、各会派等から、順次、ご意見を発言いただきます。その後、各会派等から出されたご意見について、ご協議いただきます。最後に、その協議で出された各会派等の主な意見について、あさの副委員長にご説明いただきます。
 それでは初めに、「断らない相談支援」について、理事者に対する質疑を行います。
 何か、ご質疑、ご意見はありませんか。

◆委員(井上ノエミ) 
 教育委員会に伺いますが、教育委員会が全ての不登校児童・生徒を責任を持ってフォローするべきと考えます。現状はどうなっていますか。

◎教育委員会事務局次長(青木剛) 
 区立小・中学校の不登校児童や生徒に対しまして、社会的自立に向けてフォローすることも教育委員会や学校の重要な役割だと考えております。各学校では遅刻や欠席が連続して登校を渋り始めた子どもに対して、その段階で担任が関わったり、スクールカウンセラーが専門的なアドバイスをしたり、保護者との電話や家庭訪問を繰り返しながら、連携が途切れないよう留意して、フォローしているところでございます。

◆委員(井上ノエミ) 
 スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーは、不登校児童に対応できる人数はいるのでしょうか。

◎指導室長(加藤康弘) 
 スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーは、全員が不登校児童・生徒に対応することができます。
 スクールカウンセラーについては、東京都が配置しているのが35名、それとは別に墨田区が配置しているのが21名で、区立小・中学校全校に配置されています。
 また、スクールソーシャルワーカーは、区内に3名おり、各学校からの求めに応じて対応しております。

◆委員(井上ノエミ) 
 不登校児童に関する学校と保健センター、生活福祉課、医療機関との協働はどのような状況でしょうか。

◎指導室長(加藤康弘) 
 不登校について、学校と保護者とが相談する中で、児童・生徒の状況によっては、これらの関係機関を紹介し、ご案内する場合があります。そして、保護者が相談や受診をした後に、これらの関係機関から情報提供の依頼などがあった場合には、保護者の了解を得て対応しています。

◆委員(井上ノエミ) 
 すみだスクールサポートセンターは、私立学校に通学している児童・生徒の相談も受け付けているのか伺います。

◎指導室長(加藤康弘) 
 スクールサポートセンターは、区立学校の児童・生徒を対象としておりますので、私立学校の児童・生徒につきましては教育相談室が対応しております。

◆委員(加納進) 
 断らない相談支援体制について、社会福祉法改正の際の国の検討会の資料を拝見すると、非常に膨大な議論がされたなというのがよく分かります。
 国が作成した表を見ると、理想が書いてあるわけです。ところが、現実は恐らく大変だと思います。現場で接する市区町村、あるいは民間のNPOや社会福祉法人とか、そういうところもこれからご苦労されるかと思うのですけれども、その中で、断らない相談支援については、高齢者の分野や障害者の分野、あるいは子どもの分野、生活困窮の分野など、様々な分野の相談について横串を刺すためにはどういう体制が必要かというのを国は挙げています。一つは、本人・世帯の属性にかかわらず受け止める包括的相談支援、二つ目に、行政のみで解決しない複合的な課題を抱える相談者に対しては、専門機関との調整を図る多機関協働事業、三つ目として、必要な支援が届いていない相談者にアウトリーチ等を通じた継続的支援事業、もしくは専門職による伴走支援、こういった言い方を国はしているんです。
 この構築を成し遂げるために、これから検討という部分もありますけれども、公明党としては、まずは所管をどこにするのかということも含めた組織体制、それと、社会福祉協議会、高齢者支援総合センター、あるいはそれ以外の民間のNPOや社会福祉法人等の機関との連携、士業の方々とも連携を取る場面も多々あるでしょうから、そういう相談支援機関との連携、この三つが重要かなということを申し上げておきます。

◆委員(井上ノエミ) 
 断らない相談支援について、ひきこもりの主な要因の一つに不登校があります。不登校については、学校、教育委員会が全ての子どもたちに対応するべきです。
 中学校には190人の不登校生徒がいます。1校当たり平均19人の不登校生徒がいるわけです。現在のスクールカウンセラー、ソーシャルワーカーの体制で対応できているのかが疑問です。
 また、保健センターにも108件の不登校の相談があったと報告がありました。学校と保健センターがしっかりと連携する必要があります。
 まず、教育委員会が、全ての不登校の子どもについてデータベースをつくることが大事だと思います。そして、保健センター、生活福祉課、医療機関と子どもたちの情報を共有して、しっかりと協働することが必要だと思います。

◆委員(井上ノエミ) 
 教育委員会が現在実施しているサポート学級には、何人ぐらいの児童・生徒が参加しているのか伺います。

◎指導室長(加藤康弘) 
 令和3年1月末時点でございますが、サポート学級は小学生が11名、中学生が22名の合計33名です。また、ステップ学級には小学生が1名、中学生が22名で、合計23名が通級しております。

◆委員(井上ノエミ) 
 参加していない子どもたちの学習機会はどうなっていますか。

◎指導室長(加藤康弘) 
 サポート学級、ステップ学級に通級していない児童・生徒ですけれども、学校には不定期に登校できますが自分の教室に入れないという児童・生徒は、保健室などの別室で勉強したり、又は放課後に学校に行って個別指導を受けたりしています。
 また、現在墨田区では、区立中学校2校の校内にスモールステップ教室を設置しています。
 そこで墨田区が配置する学習指導支援員によって個別の学習指導を行っております。
 次に、家庭から出るのが難しい児童・生徒については、教員が家庭訪問をして学習課題の受渡しをしたり、又はスクールサポートティーチャーを派遣して学習支援を行ったりしております。

◆委員(井上ノエミ) 
 企画経営室に伺いますが、墨田区にも不登校の子どもたちが通えるフリースクールをNPOの協力で設立してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。

◎企画経営室長(岸川紀子) 
 自宅にひきこもる子どもたちの保護者が自宅以外にも子どもたちの居場所を設けたいということで、民間団体等がフリースクールを設置して受け入れているといった事例があるということは存じ上げております。
 本区において、区がフリースクールを設立するといった考え方は今のところないのですけれども、先ほど指導室長が申し上げましたように、ステップ学級、サポート学級だけでなく、その子どもの状況に応じて段階を踏んできめ細かく復帰に向けたプログラム支援ができるようにということで、スモールステップ教室であったり、相談の場所をつくっていきたいと思っております。

○委員長(高橋正利) 
 以上で、質疑を終わります。
 次に、本件について、順次、各会派等のご意見を発言願います。

◆委員(井上ノエミ) 
 不登校の子どもたちの学習への参加を促すことについて、不登校の子どもたちに対しては、教育委員会はサポート学級、ステップ学級を実施しています。これらの学級は学校に戻るための支援活動ですが、学校に戻りたくない子どもたちも多いと思います。フリースクールもありますが、学費が大変高いという問題があります。不登校の原因は複合的ですので、子どもたちのニーズに合った新しい学習の場所を提供する必要があると思います。
 区内にはあまり利用されていない集会所が幾つかあります。これらの場所を使ってNPOに新しい学習の場所をつくってもらうなど、柔軟な対応が必要だと思います。

○委員長(高橋正利) 
 ただいまの各会派等のご意見について、ご協議願います。
 何か、ご質疑、ご意見はありませんか。

◆委員(井上ノエミ) 
 地域づくりについて、学校に地域の大人が入れる仕組みが必要です。例えば緑小学校でやっている放課後子ども教室みどりっ子クラブのような活動が広がれば、子どもたちも地域の大人たちと交流して出会うことができます。例えば外国人の子どもたちがいる学校では、国際交流活動をしているNPOのメンバーに来てもらい、外国語で交流してもらう。学校という・・社会を外に開くことによって、子どもたちに新しい出会いと体験をしてもらいたいと思います。

○委員長(高橋正利) 
 青木次長から答弁がありましたが、井上委員のご意向はいかがでしょうか。

◆委員(井上ノエミ) 
 学校は、先生とクラスという大変狭い空間です。そこでうまくいかないと、ほかに行く場所はありません。緑小学校では、みどりっ子クラブという放課後の活動をやっています。地域の大人が参加してゲームをやるなど、いろいろな活動があります。卒業した中学生が来るときもあります。
 学校には子どもたちが学べるインフラがあります。クラスの時間だけでなく、放課後にも学校を利用して子どもたちの居場所をつくれば、学校を中心とした地域づくりができると思います。

○委員長(高橋正利) 
 井上委員、学校が・・社会であるということについて、少し言い方を変えてはいかがですかという樋口委員からのご意見なんですが。

○委員長(高橋正利) 
 井上委員、何かございますか。

◆委員(井上ノエミ) 
 後で、映像で確認します。

○委員長(高橋正利) 
 先ほどの井上委員の発言につきましては、記録を調査の上、委員長において措置をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(高橋正利) 
 それでは、そのようにご承知おき願います。